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理事長 伊吹 薫
[生年月日]昭和23年2月21日
趣味:山歩き、スキー、旅行、映画鑑賞
診察内容や、診察時間、料金、ご質問などは、医療法人IDCのサイトへアクセスをお願い致します。
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第36回日本臨床口腔外科医会研修会:抗菌薬の正しい使い方

8月26日(日)大阪大学中之島センターにて抗菌薬投与の

 

原則臨床:顎口腔領域感染症を中心に」

 

と題して研修会を開催しました。

 

 

理事の穂積 純典先生とは阪大口腔外科以来、40年の

 

お付き合いです。 ジャズピアニストの顔を持つ、異色の

 

歯科医師です。

 

研修会には90名を超える参加者がありました。

 

 

 

 

大阪市立大学大学院 臨床感染制御学 教授(呼吸器内科)の

 

掛屋 弘先生に、抗菌剤の耐性菌発生機序、院内感染症対策に

 

ついてお話頂きました。 抗菌剤の多用により出来る耐性菌に

 

よる死者数は世界中で2013年現在70万人と推定され、何等

 

対策を施さない場合2050年には癌による死者数を超え、850万

 

から1000万人と予測されています。

 

我々医療従事者だけが抗菌剤を使用するのではなく、家畜に

 

使用される膨大な抗菌剤による耐性菌発生が、陸上生物だけ

 

でなく海洋生物にも伝播し、それが魚等の摂取により人体に

 

多大な影響を与えることを解説されました。

 

抗菌剤投与の原則は、極端に言うと

 

「1日最大量を1剤最短期間2−3日投与」として総量規制を

 

を考えながら、それが無効の場合は他剤を考慮することを、

 

全医療従事者が心掛けなければならないとのことです。

 

 

 

 

次いで大阪市立大学大学院 医学研究科 歯科・口腔外科

 

教授 中原 寛和先生による歯科における我が国での

 

抗菌薬投与の現状と問題点、それを踏まえて、臨床現場での

 

医師の裁量の重要性が、患者さんへの最大の利益になる

 

ことを講義されました。

 

 

 

講演の後、質疑応答は1時間に及び、歯科医師が抱える抗菌薬

 

に関する問題意識が浮き彫りになりました。

 

特に、現在多用されてい第3世代の経口セフェム、フ〇モッ〇ス、

 

メ〇ラッ〇スは経口の場合、極めて生体に利用される率が低く、

 

殆ど効果を期待できないとのことです。

 

 

 

 

 

又、細菌性心内膜炎予防は、過去の意見で紆余曲折したが、

 

現行ではアモキシリン(サワシリン)の術1時間前、

 

2gr1回経口投与が最良と考えられるとのことでした。

 

しかし、あくまで現場の歯科医師が患者さん個々の病態

 

に応じて判断することが重要だとのことです。

 

 

 

研修会終了後、講師を囲んで恒例の懇親会を開催しました。

 

 

 

講師の中原先生、掛屋先生、理事の森山先生と、

 

 

理事の寺浦先生、栗本先生、初参加して頂いた奈良の中島先生、

 

 

 

理事紅一点 竹國先生、再び登場の森山先生、穂積先生、

 

神奈川県藤沢から参加の理事 椋梨先生、皆貴重な日曜日

 

を有意義に過ごすことが出来ました。

 

次回は来年4月14日(日)大阪大学歯学部口腔外科教授、

 

古郷 幹彦先生、鵜澤 成一先生による市民公開講座、

 

「お口の外科」って知ってます?

 

を予定しています。   市民の方を中心に口腔外科

 

と言う医療分野をご理解頂ければと考えています。

 

 

 

 

 

医療法人IDC | 先進医療技術 | 19:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第34回日本臨床口腔外科医会研修会:歯周組織再生誘導製剤リグロス

大阪大学中之島センターで画期的な歯周組織再生製剤 

 

リグロスについて、大阪大学歯学部教授・付属病院長の

 

村上 伸也先生をお招きして、ご講演を頂きました。

 

 

歯周病で失なわれた、骨と歯肉組織を同時に再生することが

 

出来FGF-2製剤の一種であるリグロス開発にまつわる、

 

基礎か臨床応用に至る長い苦労の道程をお話頂きました。

 

 

 

同時に、この製品の適用範囲拡大の可能性も示唆されました。

 

着想から保険適用に至るまで、実に30年かかったそうです。

 

私もこの薬の話は以前からお聞きしていましたが、確実に臨床

 

応用が出来ることとなり、先生へ研修会の講師をお願いしま

 

した。

 

 

北海道から沖縄まで、約200名の参加者がありました。

 

佐治敬三記念ホールは170席しかなく、、、、

 

 

 

一部参加者の方には別室でのモニター聴講をお願いしました。

 

双方向で主会場と質疑応答が出来るシステムです。

 

 

 

免疫システム細胞から分泌される低分子蛋白を

 

サイトカインと言います。  このサイトカインは

 

炎症を促進したり、逆に炎症を抑えるために、いろいろな細胞の

 

間で情報伝達を行う数百種類の蛋白の総称です。

 

従前よりこのサイトカインを使った骨の再生は、非常に多く発表

 

されています。

 

サイトカインの中で、今回村上教授が着目され製品化されたの

 

が、bFGF(basic fibroblast growth factor:FGF-2)と言う、

 

間葉系細胞、血管内皮細胞、神経外肺葉系の多くの細胞の増殖、

 

分化に関与し、更に強力な血管新生作用を有する蛋白です。  

 

実際、歯周組織で上皮細胞(歯肉組織)と間葉系細胞(骨)が同

 

時に増殖する様子を村上教授は証明されています。

 

歯科の分野では正直ノーベル賞ものです。

 

このFGF-2は非常に薄い0.01%と言う濃度で、褥瘡や熱傷潰

 

瘍の治療に既に応用されています。 しかし、歯周組織再生用

 

に開発されたリグロスはFGF-2は0.4%と言う高い濃度の物で

 

す。

 

 

村上先生は歯学部大学院生にして、医学部大学院生の研究指導

 

をされたと言う、我々には伝説上の研究者です。 欧米での評価

 

も高く、病院長と言う激務にも関わらず、患者さんに寄り添う

 

研究を続けて居られる姿勢に、深く敬意を表したいと思います。

 

 

 

 

何時もの理事のメンバーで、村上先生を囲んでの話の輪が

 

広がってゆきました。

 

 

 

村上先生のお話を直接聞くことが出来、とても有意義なそして

 

歯科医として夢のある時間過ごすことが出来ました。

 

村上 伸也先生の益々のご活躍を祈念して居ります。

 

有難うございました。

 

 

 

 

医療法人IDC | 先進医療技術 | 17:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
嚥下障害への干渉電流型低周波治療期器の導入

いぶき歯科医院ではこの度Gentlestimと言う、干渉電流型低周波治療器を嚥下障害の方へのリハビリ機器として導入しました。  訪問診療の際に携行し、居宅などで実際に使用して頂きます。

現在、パーキンソン病の患者さん等が食事をされている時に装着して頂き、飲み込みが改善されているか如何かを観察しています。  未だ、患者さんご自身の主観的な評価しか出来ていない状況ですが、従来からの嚥下リハビリと併用して、少しでも良好な食べる環境が整えられればと考えています。

 

このタイプの低周波治療器は昔から、様々な理学療法の分野で使われており、脳梗塞などによる麻痺や廃用性筋委縮を改善すると言われています。 又、頻尿・尿失禁にも効果があるとされています。 鍼灸治療と似た効果と考えれば良いでしょう。

 

この機械は交差する皮膚上の4点に電極を設置し、対角線上の2点間に中周波2000Hz、

及び2050Hzの電流を流し、その中心に50Hzの低周波を発生させるものです。  

本来低周波は皮膚に対する刺激が強く又、皮下数ミリ程度しか届きません。  しかし、中周波は皮下3−4cmまで届き、やや深い位置で筋肉などを刺激する効果があります。

つまり、この低周波治療器は皮下3−4cmのところで50Hzの低周波を発生させて低電流で神経(主に、上喉頭神経)を刺激します。 この刺激で、嚥下(飲み込む)時の嚥下反射を起こしやすくすると考えられています。 ここ10年ほどで、少しずつ臨床に使われ始めました。  その効果は脳梗塞後の嚥下障害では、回復が早くなったと報告されています。

 

パーキンソン病の方の発語障害(主に小声)にたいするLee-Silverman Voice Therayは有名ですが、同じように、嚥下反射や嚥下関連筋、喉頭挙上のスピードアップにこの機械の有効性が期待されています。

 

少しでも、口から食べて頂ける手助けが出来ればと、願っています。

医療法人IDC | 先進医療技術 | 13:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Digital Dentistry時代のインプラント治療
9月13日(日)、第30回日本臨床口腔外科医会を阪大中之島センター佐治敬三ホールで開催しました。


穂積会計監事と開会前の準備です。

CAD/CAMの技術が進化し、全く歯のない方にも顎全体にインプラントを埋入し、その上に審美的に満足度の高い補綴物(人工の歯)を装着する技術(20年以上前からあります)がかなり向上してきました。
要は補綴物を作る精度が向上してきたと言う事です。

精度はμmのレベルが要求されます。



30年ほど前に渡米し、ロスアンゼルスでDentech International, Incと言う会社を設立された、山下 恒彦さんにご講演頂きました。
CD/CAMでのジルコニア加工も精度が増し、さらにCo-Croの加工も可能になり、応用範囲が広がり、製作コストが低減してきたそうです。



もう一人の講師はJACOMS理事の堀内 克啓先生です。

computer-guided surgeryの問題点は、埋入時にguided sleeve(インプラントを診断通りの正確な方向と位置に導く筒状の器具)との摩擦が起き、埋入時のトルクが下がってしまう、言い換えればきっちりとした固定を確保できていない恐れがある、とのことでした。

本日、日本臨床口腔外科医会に入会頂いた、坪井 陽一先生との4shotです。
山下さんは、昼過ぎの飛行機でロスアンゼルスへ帰られました。

先生方、お忙しい中、貴重なご講演を頂き有難うございました。

 
医療法人IDC | 先進医療技術 | 12:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第13回日本睡眠歯科学会:睡眠時無呼吸症
昨年に続いて日本睡眠歯科学会に参加してきました。
睡眠時無呼吸症の治療に携わっている歯科医師、医師などの集まりです。
会員数は現在350名ほど、欧米と比べると今一つ盛り上がりに欠けると言うか、歯科医師の関心が低いと感じます。

学会のホームページはhttp://jadsm.jp/
です。 いぶき歯科医院も睡眠歯科医・医療機関として登録しています。


東京の市ヶ谷で開催されました。  土曜日にお休みをいただき、早朝7時5分の伊丹発の飛行機を利用して、羽田から京浜急行で品川へ、JRで有楽町乗り換え、東京メトロで市ヶ谷へ9時15分頃に着き、間に合いました。
慣れない道筋なので、行程を下調べした甲斐がありました。
東京は時々刻々変化しているようで、気が抜けません。



鼾をかく、就寝中に時々息が止まる(無呼吸)のがその主な症状です。
睡眠時無呼吸症は大きく分けて、中枢型(原因がはっきりしない)と閉塞型があり、我々が主に取り扱うのは閉塞型と言われるものです。

太っていて首周りの太い人は閉塞性睡眠時無呼吸症の傾向がありますが、痩せていて顎の小さい人(日本人はこの傾向が大)や扁桃腺肥大なども要注意です。  つまり、寝ている時に、喉の奥が狭まって、鼻で息が出来ない、あるいは口からも息が出来ない、状態を言います。  就寝時にこれが繰り返し起こると、昼間も眠たい、つまり、典型的なのは居眠り運転ですが、これが起こる原因と言われています。  更に、無呼吸状態により血液中の酸素濃度が低くなり、逆に二酸化炭素濃度が高くなったために覚醒(目を覚ます)をくりかえすと、高血圧の原因になると言われています。

鼾が原因で循環器疾患になることが判っていますが、病態は更に奥深いところにあるようで、各国の研究者や臨床家が地道な研究を続けています。



いぶき歯科医院の中村先生も、阪大顎口腔機能治療部や山口県岩国市にある口腔機能センターの佐々生先生と共同で研究発表されました。
下顎を前へ出した時に、喉の奥の構造がどう変化するかと言う研究です。  これは閉塞性睡眠時無呼吸症をSPLINT(マウスピースのようなもの)を使って治療する際の基礎DATAとなります。



中村先生、私、佐々生先生の3 shot、佐々生先生は平成28年にこの学会を主催されることに決定しました。
若手の開業医でこれだけ活躍されている先生が居られることは、本当に心強いです。


閉塞性無呼吸症治療は、就眠時に気道内を陽圧にして空気の流入を妨げないよう気道を確保する装置が使われ、ほぼ全ての症例で効果を上げています。  持続陽圧気道圧(CPAP:continuous positive airway pressure)療法と言われ、治療の第1選択です。  しかし、毎月通院する必要があり、機材がやや大きく、自宅での使用は問題ないものの、出張の多い方などには連日使用が困難な場合が少なくありません。  そこで、軽症の無呼吸症や多忙で就寝場所が頻繁に変わる患者さんには、歯科医の作成した口腔内装置を使って頂くことになります。

目下の我々の悩みは、この装置を使って下さる方が、青壮年期の男性が大半で、多忙な方が多く、装置装着後の効果を判定するための検査、つまり睡眠の状態を計測できる機会が少ないことです。  これを何とかしたいというのが我々医療者側の課題です。

歯科が循環器疾患と関連した治療に関わっていることをご存じない方が大半だと思います。
鼾、昼間のうとうと眠りが高血圧になる可能性を知っておいてください。




 
医療法人IDC | 先進医療技術 | 12:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
誤嚥性肺炎の研修会(日本臨床口腔外科医会)
いぶき歯科医院が事務局を仰せつかっている日本臨床口腔外科医会研修会が
大阪大学中之島センターで開催されました。



いぶき歯科医院とヒロデンタルクリニック・アリス箕面のスタッフに全面的にお世話になって、やっと開催にこぎつけました。


定員190名の佐治敬三メモリアルホールに無理矢理、椅子を230脚並べて、それでも足りずに、別にTV視聴用の100名定員の講義室を使用しました。  参加者は札幌から沖縄まで、多様な職種の方が集まられました。


講師は呼吸器内科(極めて専門家は少ないのが現状です)がご専門の上田 章人先生(医療法人藤仁会 藤立病院院長)、嚥下障害がご専門の(これも少数派です)野原 幹司先生(大阪大学歯学部顎口腔機能治療部)と小谷 康子先生(平成歯科クリニック)のお三方です。

日本人の死因の第3位は何と肺炎です(平成23年度)、脳血管障害が4位と順位が入れ替わりました。  80歳以上の肺炎による死亡者の殆どが誤嚥性肺炎によるもの考えられています。

誤嚥とは食べ物や唾液を飲み込もうとして,食道にではなく間違って気道に入ることです。
その直接的な原因は、筋力低下と嚥下に関する感覚情報の感受性低下に大別されます。
脳血管障害や認知症、パーキンソン病、食道や咽頭部の手術後などに起こります。

加齢に伴う筋力低下により誰にでも多少の誤嚥は生じます。  食事の時に良く「むせる」のはその兆候です。

しかし、「むせる」からと言って誤嚥し誤嚥性肺炎が生じるわけではありません。 「むせる」、「せき込む」は誤嚥を防止する正常な防御反応です。 むしろ、「むせない」状態の方が誤嚥している可能性があります。

誤嚥性肺炎には化学性と細菌性があり、胃食道逆流により胃酸が肺の中に入って起こすものを化学性肺炎、肺炎球菌、肺インフルエンザ菌などによって生じるものを細菌性肺炎と言います。


加齢に伴う、誤嚥性肺炎はこの細菌性肺炎が大半です。 誤嚥は、上手に呑み込めないために起こるわけですから、よく噛んで呑み込める形状にすることがその第一歩です。 噛めない場合や、水を飲んでも誤嚥する時には食形態を調整し、可能な歯科治療を行い、筋力トレーニング、感覚刺激などを行うことになります。

その基本として、お口を常に清潔に保つ口腔ケアが重要になってきます。

誤嚥性肺炎治療の基本は抵抗力のUPです。
栄養状態の改善、ワクチンの接種、呼吸器リハビリテーションそれと薬剤投与等により予防を試みています。
薬剤は咳反射、嚥下反射を更新する、サブスタンスPと言う物質の分泌を促すものが主となります。
口腔ケアによってもサブスタンスPの増加が起こると言われています。

パーキンソン氏病治療のドーパミンもサブスタンスPの分泌を促すと言われています。  しかし、盛んに言われているカプサイシンは、サブスタンスP増加のエビデンスが未だ、明確で無いとのことです。

以上、多岐に渡って有用なお話をして頂きました。


今後も更に、新しい知見が出て、臨床の場で活用されると思います。  その時には最新の情報をご教示頂きたいと思います。


 
医療法人IDC | 先進医療技術 | 18:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎口腔の再建と再生
 土曜日、日曜日と酷暑の中、日本口腔外科学会教育研修会へ参加してきました。
全国から口腔外科専門医や専門医を目指す歯科医師の先生方が160名ほど参加されました。



京阪電鉄樟葉駅にある大阪歯科大学の校舎で行われました。  尼崎からJR,京阪と
乗り継いで1時間以上かかりました。



手術や外傷で欠損した組織を、元の形態や機能へどのようにして戻すかと言うのが主題です。
日本の最先端の医療技術情報が開示されています。



 大まかには言うと、顎の骨と骨を取り巻く軟組織を如何に再建するかと言うのが
命題です。  現在の方法は何処かから骨や筋肉を採取してこれを移植部に生着させると言うものです。
生体以外の人工的に作られたもの、動物由来の物(使用には厳しい制限があります)、そして人間から作られたもの(形式は違いますが、輸血用血液はその代表格です)などがありますが、主流は患者さん御本人の体の一部を、欠損部位に移植すると言うものです。
これが一番、移植と言う面では拒否反応もなく安全なことは言うまでもありません。

小さな欠損はこれでかなりの部分満足がいく結果を得ることが出来ます。
しかし、欠損が大きくなるほど体から採取する部分に限界があり、取られた部分の機能も阻害される恐れが出てきます。  更に、患者さんは何度も何度も手術を受けることになり、精神的肉体的に大きな苦痛となります。

そこで、IPS細胞にを使った組織再生、臓器再生が目下、多くの施設で盛んに研究されています。
残念ながら、本邦では今のところ臨床応用には至っていません。



阪大顎口腔機能治療部の阪井 丘芳先生は咀嚼嚥下の潤滑油である唾液を産生する、唾液腺組織の再生への手掛かりについて話されました。


これから解明しなければいけない部分もあるが、殆ど詰めのところまで来ているのではないかと感じました。

又、岐阜大学口腔外科の柴田 敏之先生は抜去歯牙(主に智歯)や抜去歯髄に組織幹細胞であるDental Pulp Stem Cell(DPSC)が含まれており、有望な医療資源であると強調されています。
このDPSCは代を重ねるごとに(継代培養と言う)、数が少なくなり無くなってしまうが、3%の低酸素下では持続して細胞生命を維持することが出来ることを証明されました。
又、このDPSCからは高頻度でIPS細胞化が可能であることも示されました。
IPS細胞はいろいろな臓器への転換が可能だと考えられており、将来、歯から骨や神経、更に肺や腎臓などを作る技術が開発されるかもしれません。
但し、抜去歯牙なら直ぐに利用できるかと言うと、そう言う訳ではなく、予め
HLA(Human Leucocyte Antigen:ヒト白血球抗原)を調べ、組織適合性を分類しておかなければなりません。  これは現在の移植医療では不可欠の検査ですが、残念ながら一般の歯科医院では取り扱っていません。  
ご興味のある方はHLA研究所のホームページをご覧ください。 
http://www.hla.or.jp/index.html




 
医療法人IDC | 先進医療技術 | 09:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ヒロデンタルクリニック・アリス箕面内覧会

箕面市の姉妹診療所のご案内です。


デーサービスアリス箕面の一番奥まったところにあるので、初めての方は少しわかりずらいかも知れません。
矢印のある緑色の歯科の看板が目印になります。
大きな黒いポストも目印になります。ドアは軽く開きますが、自動扉ではありません。
ガラス窓から内部が見渡せます、ご遠慮なくドアを開けて入ってください。
駐車場も完備しています。  満車の場合は受付に駐車場所をお尋ねください。

診療時間
月・火・木・金 8:30-11:30、12:30-15:00、16:00-19:00
       土            8:30-11:30、12:30-17:00
日・祝・水       休診
訪問診療、嚥下内視鏡診断や嚥下障害治療に随時対応
往診車あり
TEL 072-726-3005
FAX072-726-3006



完全バリアフリーです。  車椅子、ストレッチャーにも対応しています。


天窓から明るい陽射しが注ぎ、暑い日も空気が循環して温度を調節しています。


洗面所からは小さいですが中庭を眺めることが出来ます。


トイレも勿論、車椅子対応です。



診療室は完全個室、プライバシーを配慮しています。



心電計、自動体温測定器、経皮酸素飽和度測定器、自動血圧計、などバイタルサインをチェックできる機械を完備しています。 お体に異常のある方にも対応できるよう配慮しています。
もちろん、使用する機会はないほうが良いAEDも置いています。


粉じんや飛沫を吸引する口腔外バキュームも整備し、診療室内の環境整備に配慮しています。


車椅子の方でも余裕で撮影できるレントゲン室を完備しています。


電子カルテ、オンラインレセプト請求、レントゲンなど全てデジタル化されています。


綿密に小さな治療器具まで滅菌工程を確立し、感染症対策に万全を期しています。

この他、笑気吸入鎮静装置、救急蘇生器、嚥下診断用内視鏡なども整備されています。

内覧会に参加してくださった多くの方々に、このブログを通じて感謝申し上げます。
小さなお子様から、高齢の方や障害のある方全ての皆様の口腔保健に少しでもお役に立つよう、スタッフ一同精進するつもりです。
宜しくお願いいたします。



 






 



 

医療法人IDC | 先進医療技術 | 17:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
歯科での顕微鏡応用
第27回日本臨床口腔外科医会研修会が大阪大学中之島センターで開催されました。
今回は歯科で徐々に認知度が上がり、恐らく無くてはならない必須の医療器械になる顕微鏡のお話です。


講師は東京銀座で開業されている吉田 格先生です。
午前・午後と6時間以上にわたる長丁場のご講演をして頂きました。

外科系医療の根本は、何でも可能な限り完全に除去することにあります。  癌のの手術しかり、ピロリ菌の除去しかり、虫歯の除去これまたしかりです。
実物を使用してDEMOをして下さいました。



関東、九州、四国など近畿以外の全国各地から多くの参加者がありました。



吉田先生の熱気ある絶妙のお話に、にこやかな和気あいあいとした研修会になりました。


顕微鏡は確かに有力なtoolなのですが、器械自体が高価で、又、治療時間が非常に長くなり、日本の健康保険制度では少々無理があると言うことも話されました。



判りやすい例ですが、歯の根の治療、一般に根管治療(俗っぽく言えば、歯の神経を抜く)と言いますが、この治療費の国際比較です。
日本でマックを買うと¥490−、一方アメリカでは¥300−、牛肉は明らかにアメリカの方が安いのでこの価格差になります。  一方、根幹治療は日本では保険制度で国が価格を決定しているので、約¥9500−
(3割負担の場合は約¥3200−)ですが、アメリカでは¥180.000−位とのことです。  皆この様な高額治療を受けるのかと言うとそうではありません。  抜歯をして総入れ歯にしてしまう若い人が実に多いのが現実です。 日本の治療費はフィリピン¥75.000−、マレーシア¥60.000−と比較しても信じられない位低いと話されていました。  日本の歯医者は実に涙ぐましい努力をして、この治療を行っています。



顕微鏡を使うと更に治療時間が増えるため、医院経営の上ではかなり問題があるとも話されていました。

従って、実際に顕微鏡を購入しても、治療に使用する余裕のない先生が多いとも話されていました。



企業展示にも8社が参加して下さいました。


懇親会での吉田先生とのtwo shotです。 真摯に歯科医療に取り組んでおられことが良くわかりました。


十三名物のネギ焼き山本で、御苦労さん会、吉田先生に大阪の味を堪能してもらいました。
吉田先生は夜8時の新幹線で東京へ帰られましたが、お疲れが出ませんように、本当にありがとうございました。






 
医療法人IDC | 先進医療技術 | 17:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
摂食嚥下障害への取り組み(その2)
  私が在籍したアメリカ中西部のIowa大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科で、嚥下障害と構音障害(主に口蓋裂術後の言語障害)の診断と治療に、内視鏡利用を推進するためのミニカンファレンスがあり、副院長の三浦先生と一緒に出席してきました。



 Iowa大学のシンボルold capital、もともとはこのIowa Cityに州都があった名残です。   今は大学施設の一部になっています。




 Downtown から Iowa 河を挟んだ対岸の大学風景遠望です。 アメリカの全くの田舎町ですが、アメリカと言う国の学術分野の奥深さを感じさせます。





 新しくできたPomerantz Family Pavillionという建物の中に、耳鼻科、眼科、口腔外科などの外来が入っています。  Iowa州の経済は比較的良好で、失業率は約5%(日本と同じくらい、全米平均は8%以上)、このIowa Cityとその周辺地域は失業率3%と言うことでした。  何年か洪水被害が続いたため、インフラ整備の土木・建設工事が絶え間なく続いているからだと地元の人は話していました。



 こちらは建設中の医学部新病棟、医学部の名前は寄付者の名前を冠して、Carver Medical School となっています。 Carver 一族はIowa で古タイヤ再生販売で巨富を築いています。 アメリカはトラック輸送の国で、日本では考えられないくらい多くのトラック用再生タイヤを必要としています。
 
 私がいたころには、Carver Pavillionという医学部新棟がありましたが、ついに医学部そのものに寄付者の名前がついてしまいました。



 
 耳鼻科の言語部門を統括している、Dr. Karnell、彼とは彼が大学院博士課程1年の時以来、30年以上の付き合いです。 今年で還暦を迎え、Bostonにいる0歳の孫とskypeで会うのが楽しくてしょうがないと言っています。  仕事のことはそっちのけで、昔話、老後の過ごし方ばかり話してました。




 耳鼻科外来の待合室には初期に我々が導入した内視鏡(Olympus製)が展示してありました。  当時、予算が下りずに苦労したことを思い出しました。  




 言語治療のための部屋です。  内視鏡、音声記録装置など全てが電子化され、隔世の感があります。




  音声と嚥下という部門が独立しています。  これは大阪大学歯学部の顎口腔機能治療部の診療と一部重なるところがあります。




 耳鼻科の研修医用講義室です。  壁には御多分にもれず歴代主任教授の肖像画が掲げてありました。 約20年前に前任の教授が退職されたとき、有志(と言ってもほとんど強制的です)で研修医教育のための基金が設立され、当時の役職に応じて寄付が募られました。 一人当たり5千ドルから2万5千ドル(200万円くらいか)の寄付をしました。  州立大学ですが、卒業生を中心とした寄付が盛んで、日本の独立行政法人化した国立大学とは財政基盤に大きな違いがあります。


 ここで内視鏡の使い方と、各自が持ち寄った症例検討が行われました。
 日本からは3名(私を除いて)の歯科医師が出席していました。
私はguest observerで、Dr. karnellとの関係を皆に説明した後は、発表を翌日に控えて緊張する三浦先生とは別に、のんびりと過ごさせてもらいました。



 初歩的な使い方を説明するDr. Bryant と言語治療士の Gudgeonさん。 州によって異なりますが、Iowaでは言語治療士が表面麻酔をして内視鏡診断を行うことが認められています。

 日本では厚生省の一元管理のため都道府県や施設による、医師・歯科医師以外のものが患者さんに薬剤を使用することには、様々な制限があります。  現場での責任と管理、それに医療倫理綱領を徹底することで、アメリカではかなり柔軟に医療が実践されていると感じました。




 Olympus製の内視鏡、Sony製のモニターです。  医療業務専用機材はやはり日本製のものがBESTだそうです。 内視鏡を扱った方ならわかると思いますが、声帯、仮声帯、咽頭後壁、左右の梨状窩、気管、披裂喉頭蓋が実に鮮明に観察できます。
 術者も患者も同一画面を見ながら、それをfeed backして治療にあたるわけです。 



 
 相互実習をさせられている三浦先生。  Dr. Bryantからすごくうまいと誉められてましたが、熟達している三浦先生は、なんのこっちゃと首をかしげていました。




  逆に被験者にさせられている三浦先生。




 Dr. Karnellにも被験者になってもらって、他の参加者に説明する三浦先生。  自信がないと言っていた英語も、何とかこなせていたようです。 実は私は用事があり一足先に帰国したので、肝心の発表は彼一人で奮闘してもらいました。




  お昼休みに皆で記念撮影。 New YorkやSan Franciscoなど遠方からの参加者もありました。  我々日本人以外は皆、言語治療士、それも全員女性でした。 ほとんどが病院勤務で、上司の命令で仕方なく参加していいる人もいて、上司の愚痴を私が聞くのもおかしな話ですが、一生懸命話してくれた人がいました。 

 三浦先生は4泊6日の強行軍で、Iowa のみに滞在、私はもう少し時間をもらって81歳になる元ボスがいる、Tucson へ寄ってきました。 旧交を温めながら、いろいろなものを次の世代へ受け継いでもらはなければならないと痛切に感じる今日この頃です。

 いぶき歯科医院では、阪大歯学部顎口腔機能治療部の支援のもとに、これからも嚥下障害治療に力を入れていきたく考えています。  少しでも地域の皆様のお役にたてればと思います。
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