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理事長 伊吹 薫
[生年月日]昭和23年2月21日
趣味:山歩き、スキー、旅行、映画鑑賞
診察内容や、診察時間、料金、ご質問などは、医療法人IDCのサイトへアクセスをお願い致します。
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第19回阪神摂食嚥下研究会:内視鏡デモと食支援の実際

9月30日(土)、川西市みつなかホール 文化サロンにて、

 

摂食嚥下障害の食支援に関する研修会を開催しました。

 

 

 

土曜の午後からでしたが、100名以上の参加者があり、

 

摂食嚥下に関する関心の広まりを実感しています。

 

司会進行は阪神摂食嚥下研究会の事務局を担当されている

 

伊丹市の小屋 経寛先生です。

 

 

 

九十九記念病院の平畑 典子看護師(摂食嚥下リハビリテーショ

 

認定看護師)が、参加者に嚥下し難い状態の体験を実感しても

 

らった上で、食支援を如何に行うかを平易に解説されました。

 

 

 

参加者に配られた試食品です。

 

飲み込みに困難を覚える人達を体験し、自ら考える体験実習です。

 

 

 

 

車椅子利用者の食介を中心に分かり易く講義されました。

 

 

 

小屋歯科医院の辻 聡先生が内視鏡所見を中心に、様々な病態の

 

嚥下障害の実際を供覧され、歯科医師等が実際に遭遇して対応し

 

ている現状を説明されました。

 

 

 

次いで、いぶき歯科医院の山林 加奈枝先生がヒロデンタル

 

クリニック・アリス箕面の上田 紘史先生を被験者に内視鏡

 

診察の実際を供覧されました。  これは顔を右側に回転した

 

時の、咽頭部の形態、左側が開大する様子ををデモしています。

 

 

 

 

通常観察することは難しいのですが、画面中央の天井の黒点は、

 

食道入口部です。 実際の嚥下の際は、食道入口部は横に帯状に

 

開くと考えられます。  これは意識的に開いたもので、珍しい

 

画像です。

 

 

 

似合わないネクタイをして、私が解説させて頂きました。

 

 

 

 

いぶき歯科医院の新人と先輩歯科衛生士も研修に参加していま

 

した。  明日からも、患者さんの思いに寄り添う医療が実践

 

出来ればと、切に願う今日この頃です。

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症のお話:第33回日本臨床口腔外科医会研修会

平成29年4月2日(日)、大阪大学中之島センターにて、今年初めての日本臨床口腔外科医会研修会を開催しました。

顎関節を制するものが歯科医療を制す!と言う、やや刺激的な表題です。

 

 

 

開会の前に役員の先生方と記念撮影。  ある種同窓会的な雰囲気があるので続いているのかなと、私は感じることがあります。

 

 

 

医療法人IDC いぶき歯科医院の事務スタッフが、受付を担当してくれています。

開催までの準備や様々な事務対応、本当にご苦労様でした。 

更に休日出勤、有難うございます。

 

 

 

北は北海道、南は鹿児島、定員を超す140名ほどの方々にご参加頂きました。 前々回の研修会よりインターネットでの参加費納入決済を導入しましたが、それだけでは参加される方にご不便をおかけすることが判明しました。

急遽、当日受付での参加費支払いも可能にした関係で、やや事務が混乱したことをこのブログでお詫びします。 

 

 

 

午前の講師は、JACOMS会員、近畿大学医学部歯科口腔外科教授の濱田 傑先生です。 長年にわたり、顎関節症の臨床・研究に携わって来られたエキスパートです。

顎関節症と言う病名は日本発のもので、国際的にはややnamingそのものに混乱があると言う、大元の所から詳しくお話頂きました。

 

顎関節症と言う病態、実は症状の原因となるものが余りに多く、臨床家によって未だ病理解釈に大きな差異があります。 その背景を理論的にお話頂きました。

 

当然、顎関節症を専門とする歯科医師の間でも、治療方法、治療目標も微妙に異なってきます。

 

 

 

お昼を挟んで、会員総会を開催しています。  会長の大枝 直樹先生から、会員への暖かい檄を頂きました。

 

 

 

 

午後からは大阪大学歯学部招請教員、元大阪大学歯学部第二口腔外科准教授の松本 憲先生にご講演頂きました。  大阪大学退職後も多くの医療機関にて、口腔外科医療の後進育成に尽力されています。 その内の一つ大阪府泉佐野市にある臨空総合医療センターでは、顎関節症専門外来を主催されています。  実は私の大学同級で、カリスマと言っても良い、人望のある歯科医師です。

 

 

 

 

嚙み合わせの異常から顎関節症が起こり、嚙み合わせを直すと顎関節症も改善すると言う理論が、一方であります。 これはこれで正しいのですが、噛み合わせの治療、実はこれが世界中の歯科医師の永遠の課題です。

 

それにに対して松本先生は現実的と言うか、病状を受け入れた上で、それに合わせて症状を改善する方法を考えようと提案されています。  つまり、その人が今持っている身体能力の範囲でリハビリを行う方法です。

 

 

 

 

両先生のご講演の後、参加者の質問に答えての本音討議が1時間程ありました。

時間が経つに連れ会場が白熱し、講師と参加者の間の垣根が取れ始め、私は実に聞き応え見応えのある研修会だったと感じました。

 

鎮痛剤、筋弛緩剤、睡眠導入剤に対する考え方、手術に対する考え方、患者さんの訴えによっては無処置で経過を見る考え方、様々な意見と議論が交差する、実に有意義な研修会でした。

 

研修会後、講師の先生方を囲んでの懇親会がありました。 ここでの本音トークは、私が以前医局で仲間内と議論していた正にその光景で、熱く顎関節症臨床を語る場になりました。

 

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
睡眠歯科のお話

最近、睡眠時無呼吸症治療のために、口腔内装置を作成してもらいたいと、歯科医院へ来院される方が増えてきています。

 

睡眠時無呼吸とは睡眠中に10秒以上の呼吸停止がある場合を言います。  これに、様々な症状が加われれば、睡眠時無呼吸症と診断されます。 

 

どのような症状かと言うと、「いびき」、「日中の強い眠気」、「睡眠中の過度な体動:頻繁な寝返り」、「夜間頻尿:通常3回以上」、「起床後の頭痛」、「寝起きが悪く、ぼんやりした感覚」、「集中力低下」、「性的機能不全」などがあります。

 

この「熟睡できていない」という生理状態は全身へ大きく影響することが知られています。

 

「高血圧」、「不整脈」、「冠動脈障害」、「脳血管障害」、「肥満」、「糖尿病」などです。

 

従って、従前は精神科が主に扱っていた睡眠障害が、循環器内科、呼吸器内科、耳鼻科、更には歯科も呼吸路である口と顎の専門家として治療に携わる様になっています。

 

睡眠障害は「呼吸路が物理的に閉塞して起こる場合」と、「中枢に障害がある場合」、更に両者が組み合わさって起こる場合があります。 従って、良く眠れない時には原因が何処にあるかをまず、精査して、それから治療法が決定されます。

 

阪大歯学部顎口腔機能治療部OBの佐々生 康宏先生は山口県岩国市で歯科医院を開業されていますが、睡眠歯科外来と言う専門外来を運営されいます。

 

 

これは佐々生先生の診療所のパンフレットです。

 

保険診療を基本としていますので、先生の医療人としてのこの姿勢は、正直頭が下がる思いです。

採算を度外視しているとまでは言いませんが、睡眠障害で悩める人に精神誠意向き合って居られると思います。

 

医療法人IDCの尼崎、箕面の両診療所でも、「いびき」、「歯ぎしり」、「閉塞性睡眠時無呼吸症」などに対して、睡眠専門クリニックと連携して、積極的な治療法を提案しています。

 

数年前よりナステントと言う鼻孔に挿入して、いびきを起こさないようにする器具が販売されています。  

 

 

直径4mmほどのシリコン製のチューブで、これを鼻の穴(片側又は両側)に挿入して、鼻の通りを良くして鼾を起こさないようにする装具です。  Seven Dreamersと言う東京大学を中心としたベンチャー企業が開発した物で、既に100万本以上販売されています。

 

私も試しに使用しましたが、「いびき」の改善は劇的で、これは凄いと実感しています。

 

しかし、問題点があります。  私は鼻から挿入する内視鏡の開発段階から、40年以上内視鏡の仕事に携わって居り、鼻に異物を挿入することには何等抵抗はありません。

 

一般の方は如何でしょう?  長さ120mmから140mmの物を鼻から「のどちんこ」の裏まで、直径4mmほどの管を通してゆくことが出来るでしょうか?

 

慣れると、確かに出来ます。  しかし、鼻粘膜を傷つけたり、くしゃみを頻発することはあります。

 

見えるでしょうか?

 

これは私の喉の奥に挿入したナステントです。 左の鼻孔から挿入しましたので、「のどちんこ」正しくは口蓋垂(Uvula)と口蓋扁桃の間に先端が見えます。

 

私自身はこんなものを喉の奥に入れても、もはや当たり前なのですが、家内に「やってみる?」と聞くと、遠慮しておくと言われました。  効果はあるのになあと残念な思いでした。

 

最近ナステントを誤飲したケースが出てきました。 

幸い大事には至らず解決したそうです。

 

しかし、現在は販売を一時的に中止しています。  100万分の気離螢好があった訳ですが、画期的な装具だけに、何とか再度復帰して、いびきや睡眠障害に悩んでいる人の力になって欲しと思います。

 

私共睡眠歯科を担当する歯科医師は口腔に装着する装具(Oral appliance:OA)と鼻から呼吸路を確保するナステントなどの装具で、閉塞性睡眠時無呼吸症が改善できないかと、検討しています。

 

食べる、味わう、話す、歌う、息をする、そして口は表情も含めて多様な感性をもった臓器であると、改めて実感します。

 

 

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 12:21 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
3歯科医院合同研修会&新年会:改めて口腔ケア・口腔リハビリの意味を考える

3歯科医院が研修と新年会を合同で行うと言う、初めての企画が実現しました。

準備にはかなりの時間と労力が必要だったと思います。 関係者の方々に、唯々感謝です。

 

場所は箕面風の杜、箕面山荘の大会議室をお借りしました。

 

 

30名以上のスタッフが参加してくれました。

 

 

 

講師のTOPは伊丹の小屋 経寛先生です。  口腔ケア・リハビリの意味をもう一度、少し立ち止まって考える必要があることを強調されています。

 

openingの写真は一昨年、私と一緒に登った北穂高岳山頂からの槍ヶ岳遠望、素人でも間違いなくbest shotが、お天気なら獲得できます。

 

 

健康寿命(介護などの必要がなく、自助で元気に過ごせる年齢)は平均余命より、男性で約9年、女性で約13年短い。  従って、如何に介護が必要な時間を短縮し、どうすれば快適な老後を送ることが出来るか、そこが今正に日本全体の問題として問われています。

 

そのためには、体力・精神力・社会性の維持が極めて重要であると言われています。 厚労省ではフレイル(虚弱)予防と言う言葉で、啓発運動を開始しています。 

 

 

 

60歳定年が65歳になり、今後更に75歳まで現役(?)などと言われ、年金の支給は何歳から?と言う話が盛んに出てきます。

 

働くことも重要ですが、それ以上に社会参加(人と交わる機会)を定年後も維持することが、老化防止に意義のあることだと考えられています。  私は幸い定年がなく、私の子供より更に若い人たちと仕事が出来、常に患者さんと接しながら社会参加が可能な現状を、非常に幸せなことだと感謝しています。

 

 

問題は、自助努力では日常の行動を貫徹出来ない、介護が必要な状態になった時、如何すべきかと言うことです。

 

今から50年以上前に、口腔ケア(お口を清潔に保つ=体への細菌感染の危険性を低くする)の重要性を指摘していた看護師がいます。

 

今では、口腔ケアが日常でも終末期医療でも重要なことは、周知されています。  しかし、本当に正しい口腔ケアを実践出来ているでしょうか?  そこを各自がもう一度見直し、患者さんに口腔ケアを行う際に気づくべき点を強調し、解説されました。

 

 

 

続いて実践編を辻 聡先生が、貴重な写真やビデオ資料を供覧して解説してくださいました。

パーキンソン病や筋委縮性側索硬化症、更に、口腔ケアが極めて困難な前頭側頭型認知症、終末期の方などです。

 

 

 

これは口腔ケアの基本SET。  医療・介護保険では月4回までの口腔ケアが厚労省によって認められています。 しかし、場合によっては月8回の口腔ケアを実施して、半分を無償奉仕で行うことも少なくないとのことです。  医療人として頭が下がります。

 

この研修会はざっくばらんで、質問がしやすい雰囲気でしたので、参加した人が意見を言いやすかったように思いました。 又、このような機会を作れればと思います。

 

 

 

研修会が終わり、箕面山荘から眺めた大阪の夜景、なかなかのものです。

 

 

 

楽しい宴会の始まり始まり!

 

 

 

少しづつお酒が入って来た頃です。

 

 

昨年9月まで3年以上、尼崎のいぶき歯科医院へ大阪大学から出張してくださっていた原 崇之先生(現在は大阪警察病院口腔外科勤務)も来てくださいました。  送別会が延び延びになっていたので、スタッフから花束贈呈(先生帰ってきて下さいと言う、スタッフの声が聞こえました)があり、美女で無い爺から花束をお渡ししました。 8年前に亡くなられた原先生のお父さんは大学の2年後輩、山とスキーを通じて私や小屋先生の大親友でした。  世の不思議、巡りわせ、時の流れ、現世の輪廻を感じる今日この頃です。

 

 

続いて、お楽しみのクイズとビンゴの賞品獲得ゲーム。  全員に当たる企画、相当大変だったと思います。  この辺りから、私は少々酔っぱらってしまい。 記憶が定かでありません。

 

 

何とか全員集合写真までは、お付き合いが出来ました。

多分、この後沈没です。

 

緩急をつけて、今年も頑張りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 17:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
オーラルフレイルって何?

2年ほど前から官製主導と思われますが、体の「虚弱」と言う言葉を「フレイル:frail」と言い換えて表現する様になっています。  これは高齢者(現在は主に75歳以上)が老化や脳梗塞、神経変性疾患(パーキンソン病など)等により、体重減少、筋力や認知機能低下により生理的な予備能力が低下する状態を言います。  「虚弱」より「フレイル」の方が何となく聞こえは良いからかも知れません。

 

ちょっとした段差でもつまづく、旧知の人の名前を忘れて言えない、今しようとしたことも、別のことを話されると忘れてしまう、普通に食べていてもむせたり、咳き込んだりする、これ等も一種の「フレイル」と言われています。

 

プロのスポーツ選手の運動能力が試合中に100%発揮されている訳ではありません。  精々、その数パーセントでしょう。  同じことは我々の日常生活でも起こっています。  朝起きて仕事に出かけるために、身支度をして出勤する。 この当たり前の行動も、これを超える大きな予備力があるから難無く出来ています。  しかし、加齢に従って、この予備力が減少し、身体能力を100%使っても、「立って靴下がはけない」、フルに記憶力を総動員しても、「忘れることが多くなる」などのことが起こります。

加齢による許容範囲の変化であることもあるのですが、そこには気がつかなかった疾患が潜んでいる場合もあります。

 

兵庫県歯科医師会主催のオーラルフレイルのシンポジュウムに参加してきました。

つまり、口の機能が虚弱化した状態を歯科医師や歯科衛生士が如何に早期発見し、全身の虚弱化を防止して行く一助となるかと言う、社会的に非常に大きな命題に対する研修です。

 

台東区三ノ輪口腔ケアセンター清水 けふ子氏、東京都健康長寿医療センター研究所 渡邊 裕先生、

日本歯科大学大学院生命歯科学研究科 菊谷 武先生等が講演されました。

 

従来から言われている、フレイル対策の3本柱と言うものがあります。

 

 /搬稜塾呂琉飮

◆仝から食べる

 社会的な交わりを維持し続ける

 

日本全体が都市化し、一次産業でなく三次産業での就業者が増えるに従い、子や孫が地方から東海道ベルトに代表される諸都市への移住を余儀なくされ、その結果、家族の絆が希薄化し、高齢者が役割を発揮できる居所が無くなってしまったことも、その原因の一つではないでしょうか。  

 

我々歯科医師も、来院された患者さんの口や歯だけを診ているのではなく、身体状況の変化や現在悩んでおられることをそれとなく聞いて、体全体の変化を注意深く見守っていることを知って頂きたいと思います。  歯医者に来院される際の服薬情報は非常に重要で、患者さんの健康状態の変化を知る手段としています。

 

当院受診中の患者さんで、脳梗塞や心疾患、認知症の早期発見に繋がった方は多く居られます。  歯医者にも、ご遠慮なく健康状態を漏れなく教えて頂きたいと思います。

 

オーラルフレイル、お口の機能の衰えを見過ごしてはいけません。

 

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
睡眠時無呼吸症候群治療の医科・歯科連携:第32回日本臨床口腔外科医会研修会

これは演者の一人、立花 直子先生が編集された疾病啓発用のマンガ冊子です。  判りや安く画かれていますので、眠りの重要性が良く理解できる一冊です。

 

立花先生は関西電力病院睡眠関連疾患センター・センター長で、日本臨床睡眠医学会・理事長をされています。

 

ある精神科の先生が40年ほど前に新米の精神科医だったころ、睡眠は医療の対症ではなく、「先生、よく眠れないんですが」と言う患者さには、上司の先生が「酒でも飲んで寝たら?」とアドバイスされる、その様な感覚だったと、私に話されたことがあります。

 

しかし、睡眠の生理が解明され始めると、俄然、睡眠が人体に及ぼす恐ろしいほどの影響力が判り始めてきました。  

 

そこで、「人の生活に極めて重要な睡眠に、歯科がどのように関わっているか」を研修する目的で、今回の研修を企画しました。

 

場所は大阪国際会議場12階の研修室です。  同日に水谷豊のリサイタルが同じフロア―であり、少々戸惑いましたが、何とか開催で来ました。

 

 

研修会の進行は、日本睡眠歯科学会副理事長の近畿大学医学部口腔外科主任教授、濱田 傑先生と山口県岩国市で開業され、口腔機能センターを開設されている佐々生 康宏先生にお願いしました。

佐々生先生は平成29年度の日本睡眠歯科学会大会長です。 個人的な考えかも知れませんが、佐々生先生が大学から離れた立場でも、研究の第一線で活躍されているいることに、心底敬服しています。

 

 

日本臨床口腔外科医会会長 大枝 直樹先生(東大阪市開業・元鹿児島大学口腔外科助教授)のご挨拶で研修会は始まりました。  東日本大震災の遺児進学奨学金、みちのく未来基金へ継続的な支援を毎年日本臨床口腔外科医会として行っていることを話されました。

 

 

佐々生 康宏先生は閉塞性睡眠時無呼吸について、今まで先生のが取り組んでこられたことを中心に、歯科医師がこの疾患に如何に取り組んで行くかについて、判り安く講義して頂きました。

 

 

コオディネーターの濱田先生は、一般の方々がなじみの薄い用語を平易に解説され、研修会参加者の理解が進むように、かなり配慮されていました。

 

次いで東京歯科大学口腔解剖学教室教授の阿部 伸一先生が呼吸路である口腔・鼻腔・咽頭の機能解剖

について実に詳細に解説した下さいました。 動画や生体解剖を含めたリアルな映像で、口腔外科をやってきた者にとっては良い復習をさせてもらいました。

 

 

 

元々、精神科医としてスタートされた立花 直子先生はご自身の睡眠医学との係わりからお話され、睡眠医療の現状、課題、特に日本における問題点を、判り安くお話下さいました。

 

 

更に、豊富な資料や解説書を提供して下さり、参加者の方々に配ることが出来、大変好評でした。

 

 

阪大顎口腔機能治療部の奥野 健太郎先生は睡眠時無呼吸症に使用する口腔内装置(OA: Oral Appliance)の適応や作成方法、医科・歯科連携で押さえておくべき要点等について、情熱的なご講演をして頂きました。

 

今回の参加者は約70名ほどで、何時もの企画よりやや少ない気がしましたが、研修内容は密度の濃い、膨大な内容を含んだものでした。 参加した先生方からは、凄い研修会だったと、お褒めの言葉を沢山頂戴しました。

 

企画・厚生・演者間の調整に奮闘してくださった、濱田先生、佐々生先生にこのブログで御礼申し上げたいと思います。  有難うございました。

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 09:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第15回多職種による阪神摂食嚥下研究会:筋委縮性側索硬化症の問題点と言語聴覚士によるリハビリ

今回は、国立病院機構刀根山病院に勤務されている言語聴覚士、田上 惠美子先生から神経難病に関する摂食嚥下障害、特にALS(筋委縮性側索硬化症)を中心にお話頂きました。

言語聴覚士の方々が様々な疾病に起因する嚥下障害に対して、どのようにリハビリを導入し、実践されているが良く判る内容でした。  

 

嚥下障害の方々に接する機会の多い医療者や介護者は良くご存じの疾患です。

 

 

特にALSは体幹、上下肢、呼吸筋、口腔咽頭の筋肉群全てが徐々に、あるいは急速に動かなくなってくる疾患です。

 

 

田上先生はそれぞれの部位での麻痺によって生じる問題点を整理し、個々の患者さんに適した対処の方法を考えて居られます。

 

 

機械的補助により、食事を自助摂取する機械もあります。

 

 

歩くことはもちろんですが、体幹、特に首を支える力も障害されます。

 

 

更には球麻痺と言って、延髄にある嚥下中枢を含めた部位が侵され、構音障害、嚥下障害が起こります。 症状の出方は人により様々で、上下肢の麻痺が先行する場合が多いいのですが、この球麻痺が先行する方も30%ほどあると言われています。

 

 

病状は常に進行性で、その進行を遅らせる手段を試みられてはいますが、改善することは無いと言われています。 呼吸筋の麻痺によって、陽圧人工呼吸や、気管切開と陽圧人工呼吸の併用が行われ、それに先立ち、胃瘻造設をされて栄養維持を図られることになります。

 

 

 

ALSに突き付けられた課題

 

このALSの最大の問題は、患者さんが他の人と意思疎通出来なくなることです。 高名な理論物理学者、Stephan W. Hawking博士は20歳代前半にALSを発病し、現在に至っている方です。  50年以上闘病を続けながら、数々のブラックホールに関する研究を発表されている碩学であることは皆さまもご存じだと思います。  博士が研究を続けられるのも、電子機器を駆使したcommunication toolが開発され他の人へ博士の考えを伝えることが出来るからです。

 

ALSの最大の難関はTotally Locked in status(TLS)と言って、体の内に魂が閉じこもった様な状態に陥り、外部へ自分の意思を伝えることが出来なくなることです。  唯一目を動かして外部に合図を送ることでのみ、自分の意思を伝えることが出来る状態、これも不可能になると、TLSの状態になり、意識はあるが外部への意思伝達が出来なくなります。  患者さんの意識は清明であることが多く、感覚系の麻痺は通常ありませんので、見る、聞く、嗅ぐ、触られる、痛むなどの感覚は残ります。

何とも、受け入れがたい状況になります。  しかし、脳や体が発する微弱な電流を伝達信号に変換する研究もされていますので、何時の日かTLSを克服する日が来るのではと私は考えています。

 

 

歯科医師とALSリハビリの関わり

 

ALSに見られる球麻痺症状とは大きく分けて2点あります。  一つは、構音障害と言って、口や舌、喉の奥(鼻咽腔と言う喉から鼻への空気の流れを遮断して、口だけに息を出したり、あるいはここを解放して鼻へも息を送りこみ/m/,/n/等の鼻音を作る器官)の動きが障害され、発音がきれいに出来なくなる病態です。  

もう一つはここでお話ししている嚥下障害です。  これは嚥下を司る筋肉群が麻痺するために生じます。 構音障害と嚥下障害は別々の病態ではなく、両者が重なり合って複合的な障害として認識されます。

 

歯科医師は摂食嚥下機構の中で、食物をかみ砕き(歯・咬筋・側頭筋・内側翼突筋・舌骨上筋群等)、それを口の中で泥状にして喉の奥へ送りこみ(頬筋・舌筋・軟口蓋を含めた咽頭の筋群の働き)、食物塊や水分が無事に食道内へ送りこまれる状態を診察しています。 特に、食物の送り込みが悪く鼻への逆流がある場合、鼻咽腔が適切に閉鎖しない状態と考えられ、特殊な床副子を作成して口の中に装着し、弱い筋肉の動きを補完出来る様な状況を作り、摂食嚥下障害の改善を試みています。

 

しかし、多くの問題点が存在します。  以下列挙してみます。

 

 。腺味售擬圓気鵑鮨濃,垢訛真種連携に、口腔ケアを含めて歯科医師が参画しているケースが少ない。

◆〜瓦討了科医師が摂食嚥下障害に関わっている訳ではない。

 ALSの病状進行が早い場合は、歯科医師が作成する床副子の使える期間が極めて短い。

ぁ‐寡子は上顎に義歯の様な形で装着固定するため、患者さんが違和感に慣れ無い場合がある。

ァ‐寡子を適切な形状に調節し上手く機能させるために時間がかかり、患者さんの病状進行に追いつけない場合がある。

 

等です。 ALS患者さんの誤嚥は必発で、恒常的な口腔ケアや口腔リハビリは非常に重要だと考えられています。

 

地域において、多職種が連携し情報を共有しながら患者さんへ多くのことを還元できる状況を、一刻でも早く構築する必要があると痛切に感じます。

 

 

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 17:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第46回日本口腔外科学会教育研修会(京都大学時計台記念館)

「口腔癌の診断と治療:上顎歯肉癌を中心に」と題した、日本口腔外科学会、日本歯科放射線学会、日本臨床口腔病理学会、日本顎顔面インプラント学会による合同研修会に出席しました。

7月23日(土)午後と24日(日)終日の2日に渡る、缶詰研修会です。 口腔外科専門医制度の一環として設けられたもので、専門医更新(5年毎)に必要な単位を取得することが出来ます。

 

年2回開催されるこの研修会に、私も土曜日の朝の診療を終えて出席してきました。

 

 

 

京都大学本部の記念館です。

 

 

 

このような研修会です。  内容はさておき、全国から190名ほどの出席がありましたが、時間厳守、遅刻は認められず、会員カードを提示して会場に入り、指定された席に着席、研修中は原則着席が求められています。  後方から、係の方が着席していることを終始確認されていました。

研修修了後には再度会員カードを提示して、定刻まで研修を受けたことを記録されます。

ランチョンセミナーも要出席で、席も指定されていました。

 

研修の内容は手術・画像診断・化学放射線療法・顔面口腔の審美機能再建手術などでしたが、基礎研究のトレンドとして慶応大学先端医科学研究所の佐谷 秀行先生の「がん幹細胞」に関するお話が非常に興味深かったです。

 

がん幹細胞は女王蜂の様な存在で、働き蜂(がん細胞)を生み出しながら活動し、抗がん剤や放射線分子標的薬など細胞の増殖を標的にした治療が効き難いと言う物です。 又、がん幹細胞は活性酸素に対する耐性が高く、これは慢性炎症を背景として発生する腫瘍の重要な性質だとのことです。 

 

その成立機序は、仮説ですが \犠鏨敢挧Δ遺伝子変異した物、◆ヾ鏡や物理的刺激で未分化細胞の増殖が惹起される過程で細胞が変化を起こし、がん幹細胞の性質を取得すると言うものです。

大半の癌は口腔癌も含めて△慮綸慧な環境因子によって成立すると考えられています。

有名なのはポリオーマウイルス感染により成立する子宮頸がんです。  ワクチン接種で社会問題化していることはご存じだと思います。

 

さて、このがん幹細胞が転移や再発を起す元になっていると言う考え方から、如何にこの細胞を退治するかが課題です。  佐谷先生の研究グループは、ヒト乳がん細胞から、がん幹細胞腫瘍マーカーCD44v8-10陽性細胞の活性酸素抑制機構を解析されました。   つまり、活性酸素抑制機構(抗酸化ストレス機構)を壊すことにより、がん幹細胞を抑制すると言う訳です。

その結果、口腔癌のマウスモデルにスルファサラジン(持続性サルファ剤の抗菌・抗ウイルス薬)を投与することにより、がん幹細胞を特異的に細胞死させることに成功したとのことです。

又、臨床試験への道筋も開けてきたと報告されています。

 

 

土曜日の研修を終えて、四条河原町で出てきました。 凄い数の外国人観光客でした。

 

 

東華菜館の川床も満員でした。

 

 

夕食を済ませて八坂神社まで来ると、満月が出迎えてくれました。

「明日も頑張ろー」と気合を入れたところです。

 

 

日曜日の朝、宿舎を出ると祇園祭後祭の山鉾巡行の準備中でした。

 

 

 

この指定席は、市議会議員の方々が押さえているとのことです。

午前9時30分から始まるとのことで、残念ながら祇園祭りを見ることは出来ませんでした。

 

再び、京都大学で丸一日研修を受け、最後に日本の口腔外科の大御所、瀬戸 三貔萓犬稜い「檄」を頂いて研修会は終了となりました。

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第13回阪神摂食嚥下研究会(東京医科歯科大学戸原 玄先生講演会)

伊丹市商工プラザ マルチメディアホールにて、東京医科歯科大学 口腔老化制御学高齢者歯科学分野 准教授 戸原 玄先生をお招きして、「摂食嚥下障害の評価と訓練の実際」と題してお話頂きました。

 

阪急伊丹駅、JR伊丹駅から徒歩5−6分くらいの便利なところなのですが、初めての方には少し判りずらかったようです。

 

約120名の参加者を前に、戸原先生の聴衆を引き込む素晴らしい講演が始まりました。

 

平易な語り口ですが、高度な解剖や生理の知識を必要とする内容も含まれていて、摂食嚥下をある程度勉強されている方向けのお話でした。

 

呼吸関連筋ストレッチなどの話も交え、高齢者の嚥下機能低下を防ぐ様々なポイントを解説されました。

 

先生が講演の中で最も強調されていたことは、患者さんの住環境・家族関係・趣味・嗜好なども含めて其の全てを知ること、又、日々の体調変化を敏感に察知する能力が我々医療・介護関係者には求められていると言う点でした。  全てを総合的に把握した上で、問題点を洗い出し、何がが出来るか出来ないか、どのような手段が有効かを判断しなければなりません。

先生はあくまで現場主義なので、出来る限り時間を作って訪問診療を行っているそうです。

 

この後、内視鏡実習などを行い、中身の濃い、有意義な講演会となりました。

 

講演会の後、戸原先生を囲んで、関係者が労をねぎらい合いました。

 

戸原先生、遠路足を運んで頂き有難うございました。

 

 

医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
第12回阪神摂食嚥下研究会:地域包括ケアの栄養管理(食形態情報の共有化を目指して)
阪神摂食嚥下研究会発足後1年が経過しました。 今回は高齢者の方の食事情報(食形態、摂食嚥下機能や栄養状態、食事環境等)を地域で共有する試みについて、阪神北県民局伊丹健康福祉事務所の管理栄養士 諸岡 歩様よりお話頂きました。

今回は始めて伊丹市で研究会を開催し、阪急伊丹駅前の特別養護老人ホームオアシス千歳のホールをお借りしました。 ご協力頂いた関係者の方々、誠に有難うございました。

この研究会は、参加自由・参加費無料、手弁当で毎月第2水曜日午後7時より開催しています。
詳しくは
http://hc-support-lab.com/ 合同会社ヒューマンケアサポートLabのホームページでご確認ください。



高齢者の方などが、病院から施設へ、病院から居宅へ、更に施設・居宅や病院から他の病院へ移動される際に、如何に正確にその人の食事情報を伝えるか、これが介護・医療に従事する者にとっては極めて大切です。

前回のブログでは、3種の食形態が嚥下される様子を内視鏡で観察し、その所見を報告しました。
これは被験者が健常人であること、健常人であればどのように食物を口の奥へ送りこみ、そしてゴックンするか、その結果は如何か等、検査する側が良く理解しているので、簡単に実施できます。
しかし被験者に摂食嚥下障害がある場合、もし病状や背景(原因疾患など)が判らない場合は、こう簡単に内視鏡検査は出来ません。


そこで重要なことは、「どのような経過でその人の現在の食事(食形態)、栄養確保の方法(経口、胃瘻、経管栄養、経静脈栄養)が選択されたか」と言うことです。

その情報を事前に得ることが出来れば、我々がその人の摂食嚥下機能を評価しやすくなり、必要な診査や検査方法を決定することが出来ます。

もう一点重要なことは、「その情報が地域で統一されたもので、客観的な資料でなければならない」ことです。




参加者は約40名、何時もより管理栄養士・栄養士の方が多く参加されました。




伊丹健康福祉事務所では病院・施設から居宅へ退院・退所時に、栄養管理ファイルを作成しそれを利用者の方に直接渡す方法を提唱されています。  

これを栄養パス運用と呼んで、現在、伊丹・川西・稲川の45施設が利用し、発行件数も735件(平成28年1月現在)に上っているそうです。





これは記載例です。身体状況を始めとする基本情報、特に退院・退所時の栄養状態がが一目で判る様に工夫されています。  提供していた食事内容も一目で判る様になっています。



更に、咀嚼嚥下の状態、食事介助方法、食事を提供する際の注意事項や、本人の好みなども記載されています。

ここで問題となることが、前にも述べましたが、病院から施設などへその人が摂取していた食形態が正確に伝わるかと言うことです。  つまり統一された基準に元ずく情報であることが必要です。




そこで「基本食材のレベル別調理携帯早分かり表」を作成されています。
これは伊丹健康福祉事務所の以下HPからPDFを入手することが出来ます。
http://web.pref.hyogo.jp/hnk06/eiyoukanri.html

伊丹市のこの取り組みは、兵庫県下では先進的なものです。  日本各地で同様な取り組みがなされていますが、未だ十分と言うにはほど遠いのが現状です。


今回の研修会では管理栄養士の底力、それに緻密な食事と栄養計画作成への熱意に感動しました。

摂食嚥下障害は言うに及ばず、高齢者の地域包括ケアにおける管理栄養士の果たすべき重要性は、無限であるような気がしました。  まず地域での管理栄養士パワーを結集する必要があると、痛切に感じました。
医療法人IDC | 歯とお口の健康手帳 | 13:19 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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